| 相続税、贈与税編 | ||||||||||||||
| ■名義預金?この動産は誰のもの 相続人A、Bのした相続税申告について、税務署は、この申告内容とは異なり、孫(相続人)名義の預金は名義預金であり、実際の帰属者は祖母(被相続人)であると判断して、更正処分を行いました。納税者A、Bは、この処分を不服とし、その判断を司法に求めることとしました。 この項では、最終的に高等裁判所まで争うこととなった判例を参考に、動産の帰属という問題を紹介します。 A、B(相続人)は、それぞれが10歳前後の年齢のときに母Mを亡くし、それ以来、祖母G(被相続人)に育てられていました。A、Bの父親は、母の亡くなる2年前に離婚し、母親Mが親権者となっていました。その母Mが亡くなってからは、祖母Gが後見人となり、孫であるA、Bの面倒を見てきたのですが、祖母Gの亡き夫は資産家であったため、母M亡き後も金銭面で生活に窮することはありませんでした。
一家の財産管理は、もちろん祖母Gが取り仕切ってきましたが、その祖母Gも90歳になった今年、とうとう他界してしまいました。Aさんは20歳、Bさん16歳の出来事でした。祖母Gの葬儀を何とか終わらせましたが、大きな問題が待ち受けていました。以前死亡した母Mの相続申告を行っていなかったこともあり、今回の相続の対象となる財産が誰の所有物であるかを、明確に確定することはできなかったのです。しかし、相続税の申告期限が迫っていたため、預金の名義はともかく、AとBは、一家の管理下にあった預金の大半を相続財産として申告することになりました。 後日、その申告対象に含めていた相続財産のうち預金の一部は、A、Bに帰属する財産であるとして、更正の請求(1億3千万円)を行いました。 税務署は、この請求をいったんは認めましたが(第1次更正処分)、一月後に3億円相当の財産漏れが認められると第2次更正処分を行いました。これによるとA、B名義の預金は、実質的に祖母Gの預金であることから相続財産に該当する、というものでした。
税務署が更正決定をおこなった理由は以下のものでした。 @ A、B名義の預金は、口座開設の届出印や筆跡は祖母Gのものである。 A 祖母から多額の資産が上記口座へ振り返られている。 B 母Mの動産を含むとするが、母Mが数億円もの財産を形成下とは考えられない。 C 祖母Gが、夫から相続により取得した財産を、家庭事情に合わせて、M、A、B名義を使用して運用していたと推測される。 地方裁判所は、GとMの収入の収入と生活状況、そして口座取引の状況やその資金の動き、すなわち「財産の管理」という事実認定を重視した結果、全面的に税務署の主張を認め、A,Bの預金は名義預金であり、本来は被相続人である祖母Gの財産であるとした。 高等裁判所は、動産の帰属を名義で判断することは困難であり、その原資が誰に由来するのかが帰属の重要な判断要素になるとして、祖母Gのみならず、母Mや祖父に由来する原資の明らかなものを洗い出した。その結果、これらの預金が祖母Gに帰属していたと認定することはできないとして、税務署のおこなった更正処分を取り消した。 この納税者勝訴で結審した事例から学ぶことは、以下のとおりと考えられます。 |
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■お得な値段で購入したら、贈与税が課税? お得な値段で購入した場合、その得した差額に贈与税が課されたらあなたはどうしますか。 といっても、今回話題となるのは非上場株式、あまり一般人に縁のない話ですが、オーナー経営者にとっては重要な案件です。 業績好調の会社オーナーが、創業時の出資者から、時価より相当安い金額で株式を買い戻したらどうなるでしょうか。 近年業績の伸びが著しいS社の創業者Sは、創業時に出資を仰いだ友人や近隣の人達からS株式の買い戻しを検討したのですが、その株式の時価(厳密には純資産価額)は既に100万円/1株に高騰しています。 創業時に出資してもらった金額は1株5万円、時価での買い戻しをばかばかしく感じた社長は一計を案じます。 「皆様方のご助力を承ったおかげで、当社の業績は順調に拡大し、代表を務める私も幾ばくかの蓄えを残すことが出来ました。ひとえに皆様方のご助力を承ったおかげでございます。」・・・云々・・・ 「当然のことながら、皆様方にも、当社成長の証である果実を受け取っていただきたい、そのように考え検討に検討を重ねた結果、1株5万円の出資額に対して、4倍にあたる20万円での買い取りを実施致します。」・・・云々・・・ 「この買い取りは今回限りの計画となっております、この機会をお見逃しなきようお願い申し上げます」 ほとんどの株主はSの申し出に応じて、株式買い取りに応じたため、買い戻し計画は大成功を治めたといえます。又、財務諸表の開示を要求した株主には買い取り価格に‘イロ’をつけることで決着し、S一族以外の株主は 存在しなくなりました。
それから約1年後、買い取り実施後の翌年8月、所轄の国税局から問い合せがありました。 内容は「今回の株式売買は、著しく低い対価で財産を譲り受けた場合に該当し、その対価と時価との差額を贈与により取得したものと見なして、贈与税を課税します」とのこと。 贈与税だけでも7500万円相当に上ります。延滞税や無申告加算税がさらに加算されることを考えると、ぞっとします。 急いで、顧問税理士に相談しましたが「いかんともしがたいですね、前もって税務相談していただければ贈与税を回避できたのですが・・・」との回答。 意思決定・経営判断の前に是非税理士にご相談を ちなみに、スーパーの特売、バーゲンセール、オークション等不特定多数のものが集まる市場において、安価で購入したものについては、当然このケースには該当しません、ご安心を! 相続税法7条 基本通達7−1 −2参照 |
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■ 大きく変わる相続税体系 来年の3月、相続税の体系が大きく変更される予定です。 事業承継者を優遇する目的であり、世論の動向も同じ方向を向いているため、前福田政権下での政府公約であるものの、立法化が確実視されています。 注意していただきたいのは、大きな流れが2つあることです。 @中小企業における経営承継の円滑化に関する法律 A相続税法の改正 ・@の法律を相続税面でも支援する ・遺産税から遺産取得税へ移行し、その上で課税対象者を拡大する予定 かねてから、親兄弟の営んでいた会社を継ぐために株式を取得した場合に課税される贈与税・相続税について「税金を支払う原資など、どこにもないではないか!」という納税に苦しむ事業承継者の噴飯ものの憤りがあり、また事業承継しなかった兄弟姉妹等から、「兄貴は会社をもらったのだから、それに見合う現預金をもらって当然」という要求をうけるため、事業承継者は会社を引き継いだとたん、非常に辛い立場に陥りがちでした。 このような事態を未然に防止する目的で、@の民法特例が立法化されました。さらに、相続税法でも事業承継で取得した株式に係る相続税の延納を認めることで@の法律を支援することとなったのです。 これだけならば、納税者を優遇する法律のみで、中小企業を経営していない資産家の人達には、影響が無いはずですが、 従来の控除・・・・・基礎控除5000万円+法定相続人×1000万円・・・・・も見直されるようです。 さらに、保険金や養子の数についても見なおしの俎上に登っているとのことです。 立法化は来年3月ですが、概略ならば12月半ばには把握できそうです。 従来ならば相続税がかからなかった程度の資産についても相続税が発生することが予測されます。事業承継者の方のみならず、中堅的な資産家の方々も十分注意してください。 相続税改正の概略報告は12月20日前後を予定しています。 |
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