財務会計を内部管理に活用する(ひと工夫加える)
  財務会計と管理会計・・・・・経営者の皆さん、会計事務所に提出する会計(財務会計)と
  経営者が確認したい管理会計とは、別々に作成するものである、と思っていませんか。


外部報告用に作成した一般的な損益計算書です。
損益計算書(18年4月1日から19年3月31日)    (単位千円)
売上高
売上高        1,000,000   1,000,000
売上原価
      期首商品棚卸高      1,200
      当期商品仕入高     840,000
      期末商品棚卸高     −1,450     83,750     83,750
     売上総利益金額     16,250
販売費及び一般管理費     14,111
     営業利益金額      2,139
営業外収入
      受取利息         5
        雑収入       105
営業外費用
      支払利息       500       500
       経常利益金額      1,749
       税引前当期利益      1,749
       法人税、住民税及び事業税       612
       当期純利益      1,136



仮に、この会社が、卸売業と小売業を兼業していても、外部へ開示する財務諸表上は「売上高」と表示されます。また、商品仕入も「仕入高」のみの表示でしょう。

ところが、経営者が売上高と売上原価の詳細なデ−タを希望していた場合、この決算書からこれらを把握することはできません。

      では、内部管理用のデータを共有してこのように表示すればどうでしょう。
売上高  (卸売販売)
本店   55,000
商品    40,000
商品Y    15,000
支店   35,000
商品X    20,000
商品Y    15,000
小売販売
本店 商品Z     5,000
支店 商品Z     5,000
      総売上高   100,000
売上原価 (期首商品棚卸高)    1,200
本店 商品X      350
商品Y      200 
商品Z      150
支店 商品X      250
商品Y      250
当期仕入高    84,000
本店 商品X    34,200
商品Y    13,450
商品Z     3,075
支店 商品X    16,800
商品Y    13,700
商品Z     2,775
(期末棚卸高)    1,450
本店 商品X      550
商品Y      150
商品Z      350
支店 商品X       50
商品Y      200
商品Z      150
あるいは、建設業者の場合であれば、このような表示はどうでしょう。
売上高 (単位千円)
A工事売上高      20,000
B工事売上高      30,000
C工事売上高      40,000
その他工事売上高      10,000
   総売上高  100,000
工事原価
A工事原価      15,000
B工事原価      26,400
C工事原価      36,500
その他工事原価       5,850  売上原価   83,750
売上総利益   16,250


外部に開示する財務諸表では、このような損益計算書はありえません。
又、このような損益計算書を見かけることもほとんどないといえます。

でも、本支店の業績を分析する際、経営者にとって、より有益性の高い表示になったのでは?
そうは言うものの、上記の様式で業績報告をする会計事務所は稀でしょう。現状では仕方ないのです。なぜなら、企業と会計事務所が密な連携を取らない限り、報告用−管理用共通の会計デ−タなど作成できるはずがないのです。
内部管理する(本店、支店の業績、部門ごとの業績、これらを把握して会計デ−タ化する)ためには、記帳の自経化(記帳の内製化)が欠かせません。法人自らが、原始書類を管理し、部門などを振分けない限り、経営分析用のデ−タなど作成できようはずがありません。
「そんなに手間暇は掛けられない」そう思われる経営者もおられるでしょう。しかし、会計事務所に提出する経理書類以外に、経営者自らエクセル等で業務分析デ−タを作成している姿を、多々見受けます。又、経理担当者が数種類の経理書類を作成していることなど日常茶飯事です。
残念なことに、会計事務所用経理デ−タと経営用経理デ−タは異なるソフトに入力・保存されおり、相乗効果を発揮できないでいます。
内部管理用デ−タも会計デ−タとして取り込み、共用デ−タとして使いこなせたとするならば、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書)の有用性はより高くなるでしょう。報告用と管理用のデ−タ共用化は、企業が本気で取り組み、会計事務所がサポ−トするならば、十分に実行できるものなのです。時間を要する以外、特に難しいことなどはありません、良質の会計ソフトや管理ソフトを使用し、何を把握するのかを明らかにしたうえで、初期設定さえ丁寧におこなえば、半分は実行できたも同然です。後は、各担当者が面倒がらずに管理区分を報告し丁寧に入力することといえます。



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